公開後から友人と姉に勧められていた作品。 ミュージカルものはあまり見ないのですが、この度見る気になったので鑑賞してみた。 その記録として、以下に感想(個人的意見)を綴る。
ストーリーについて
映画としては展開が早いが、ミュージカル映画としてはこれが妥当? しらんけど。 ミュージカル映画はあまり見ないし、見るのはインド映画だから。 インド映画もよくしらんけど。 30分x12話で、色々と問題が起こって解決していくストーリー展開に慣れている身としては、このストーリー展開の速さにはなんとも思わないのよな。 アニメによって調教済みである。
キャラクターが多く、またそれぞれで個性が強い、その上早い展開のストーリである分、一度見るだけでは理解できないほどの情報が詰まっている。 何度も見て、何度も感動する作品なのではないかなと思う。 幸いにも映像とそれをあきさせない。
話の本筋は王道。 未熟な主人公が失敗と成功を繰り返し成長していき、周りの人からの支えで本当に大切なものを見つける、っていう。 下流階級にいた幼い頃のバーナムは、成り上がって上流階級になることが幸せだと信じてた。 なぜなら、みんながそう思っていたから。バーナム効果に陥ってしまったのだと思う。
バーナム効果 みんなに当てはまるものが自分にも当てはまると勘違いしてしまうこと
しかし、自分を受け入れて幸せになる個性豊なサーカス団員達に励まされて、みんなが望む幸せが必ずしも自分にも当てはまるとは限らないということに気がつけた。 散々、バーナム自身が色んな人に「this is me」と唱えて励ましていたのみかかわらず、自分自身そのことを理解できていなかった。自分に自信を持ててなかった人たちに、家族や居場所を与えたのに。自分が背中を押した人たちから今度は自分が押される。優秀だけど大分抜けているバーナムが滑稽で、だけど愛おしくなる。
チャリティーが本当のことを言わず、誇張表現で嘘をつくようなことを繰り返したことは、幼い頃に正直に話したところチャリティーの父に頬を打たれたことから来るのではないかなと思う。あれです、チャリティーがお茶のお作法を勉強していたところ、仕事で来ていたバーナムが面白いことしてチャリティを笑わしてお茶を吹かせるシーンです。
歌とダンスについて
曲とダンスがいい!って言われて、この作品を見たが曲に関してそうでもないなーって思ってた。 わたしが好きな傾向の音楽からはなれているから仕方がないね。 あまり聴き馴染みのない音楽には感動を覚えにくいものだ。 色んな感動を知れた方がいいと思うから、これを機会にしばらくはgreatest showmanのサントラをリピート再生するかな。
あんまりとかいいつつも、すごいなとは思うのです。 あれだけ人数いるのに、あの一体感。迫力もある。 どこを見ても楽しい。何度も見たくなる。 また役者さんの表現もわかりやすくて、パフォーマンスを見るとストーリーを思い出す。 1曲でも見直すたびに思い出されるストーリー、その度にまた映画を見直したいなって思うようになるんだろうな。 1曲1曲のパフォーマンス性の高さや舞台装飾、ライティングとかとかとか、素敵だ。
バーナム・サーカス団員とリンドについて
他のレビュの中でサーカス団のショーとオペラ歌手の歌を比較してどっちがいい、とかそういう話をしている方を見受けたことがある気がするが、私はそういう話なのではないかと思う。 どちらも自分の個性と自信を持っていて、それを芸術らしくパフォーマンスをしているからみんなに感動を与えるんじゃないかな。 彼女が歌っているシーンは、何かから足掻いている姿のように見えて、とても感動した。2度目に見たときに、彼女の過去を知った状態で聞いたときは、涙が止まらなかった。 これは私の好みもあるが、自信を持って明るくパフォーマンスしている姿よりも、何かを求めて足掻いている姿の方が心が動かされてしまうので。
彼女が首を晒して上目遣いで、自分が隠してきた過去を語られて、強いと思っていた女が自分にだけ甘えてきたとあったら、おちない男などいるのか? 答えは、否。(反語)
閑話休題、バーナム・サーカス団員達も、自分達がマジョリティに受け入れられないことに強い思いを持って、「this is me」をパフォーマンスするシーンは感動した。 歌やダンス以上のパワーがあるのだから。 信じたいと思った人間に裏切られたことを嘆くのではなく、強く主張する姿が本当にかっこいい。 そのシーンでのキレのあるダンスは頭にこびり付いている。 堂々とした立ち姿は、彼女達自信をちゃんと見たい、って思わせる。
テーマについて
最も崇高な芸術とは人を幸せにすることである。
幸せにする方法が、洗練されたオペラ歌手のショーだろうが、ゴミ貯め育ちの外れ者のショーだろうが、人を幸せにすることができれば、それは芸術なんだと思う。 上流貴族が芸術と考える劇場での劇も、歌姫が奏でる旋律も、バーナムがプロデュースする馬鹿騒ぎ(サーカス)も、確かに芸術なんだ。
バーナムが詐欺まがいに盛った話をしたら、みんなは感動してくれた。 「this is me」だ、と敢えて自分のコンプレックスを誇張してパフォーマンスをしてでも、感動を創り出す。 これってエンターテインメントの本質だなと思った。上流階級には誇大広告を行うバーナム氏へ酷評を送る者も多かったが、ペテン師がプロデュースするエンターテインメントに感動する観客も実際に多い。何より、Greatest Showmanを見た人自身、そうなのではないかと思う。
余談だが、 髭面の大柄な女性がドレスを纏って出てきたら、わたしはきっと笑う、お笑い芸人を見るときのテンションだ。 でもそんなビジュアルの人から、あんな美声で素敵な音楽が流れてきたら、きっと全身震える。